Vol.34 長期修繕計画への関心

                                                       掲載 2017.03.06

  昨年、秋も押し迫った頃だったと思う。高層棟外階段の壁や枠に何やら記号が書き込まれたテープ片があちこちに貼られていた。ちょうど最上階まで登ることを日課にしていたので数えてみると、一つの外階段を通して10ヶ所以上あったように記憶している。

それから2週間ほどしてからだったと思うが、テープ片を貼ってあった箇所のペンキを削ぎ落としたような痕跡が確認できた。これらテープ片の意味は、外階段の鉄部錆発生箇所の補修工事をするという事だったようです。我がパークが誇る修繕委員会の丁寧な活動状況を垣間見たような気がすると同時に、感謝の気持ちが沸き上がって来ました。

  そんな中、関連して一つの疑問に遭遇したように思いました。外階段の補修は理解できたつもりですが、他の場所、つまり三階置きにある横移動通路や各住戸のベランダ鉄部の錆の補修との関係はどうなっているのだろうと云う疑問でした。多分、この件は横通路や各住戸ベランダと外階段では、風雨に晒される度合いが多少異なるとの考え方で補修頻度に差があるのだろうと自己納得をしました。この見解が正しいかどうかは不確かですが、この機会に修繕委員会の活動について考え、触れてみるのも一興かと思って綴ってみます。

 

  4年ほど前、大規模修繕の一環として各住戸の天井裏や壁の裏および床下などに横たわる給排水管やガス管の更新工事が一斉に執り行われました。この工事は、各戸から集まる排水の共通排水管なども同時に更新してくれたと記憶しています。この大工事に続いて、外壁塗装工事や屋上防水張替え工事、更には電気設備更新工事、エレベータ更新工事などを計画主導していただきました。お陰様で、このパークの資産価値は殊のほか好評で他の類似マンションに比較しても高い評価を維持できていると聞き及んでいます。

   今後の大規模修繕工事についての詳細計画については詳らかでは有りませんが、予想としては数年後に外壁及び手摺修繕塗装工事がまた巡ってくるものと思われます。この工事は過去何回か経験していて、住民の皆さんにとっても身近に感じる修繕工事であり、最も関心の深い工事なのではないでしょうか。各棟別に大規模な養生工事がなされ、日差しが遮られることから、洗濯物がスッキリ乾いたような気がしない期間が相当長く感じられたのではないでしょうか?。部屋の中はいつまでも薄暗く感じられ、穴倉暮らしをしているような思いに繋がっています。とは言え、当該工事が建物の劣化を防ぐための必要不可欠な定期的な工事であることは居住している皆さんも理解している筈です。

 

  ここで改めて、この外壁や手摺などの修繕塗装工事の内容について深堀りし、次回の工事に活かせる様なことが無いか点検してみるのも一興ではないだろうか?。発想に当たっては、予兆を加えない自由奔放を旨とし、素人的な発想を否定しないと云う考え方で進めてみたいと思います。

記憶を辿ってみると、先ず費用の膨大さに目を見張ったように思います。全棟合算で確か数億円規模だったのではないかと思います。これについも、建設業界のオリンピック景気と人手不足が相まっての驚異的な人件費や資材の値上がりが噂されていて、次回は更なる費用負担が覆いかぶさってくると予測されます。この膨大な費用の内訳を見ると、本来の塗装工事費用に増して目を引くのは、メイン工事費用よりも建物全体を覆う「足場及び養生構造物の組み立て解体費用」が半分近くを占めていると云う事に驚いた記憶が有ります。つまり、修繕塗装という形として残る価値とは異なり、残らない価値に対する費用として億単位の金額が掛かるということです。ましてやこの「足場及び養生構造物」は、前述したように各戸の日当りや風通しを長い期間阻害する厄介な代物でもあるのです。

以上の現実から、素人の発想を逞しくして、費用だけでなく環境までを阻害するこの「足場及び養生構造物」について使わないで済むという発想で工事は出来ないだろうか?。

 

   先ず、そもそも足場が何故必要なのだろうか?。ベランダを最大限活用する作業方法は考えられないだろうか?。工事作業者が各戸のベランダに自由に入り込むことが出来れば可能かも知れない・・・とすれば、ベランダを自由に活用することによって工事が出来る可能性は出てこないだろうかと考えてみました。工事作業者が各住戸内を通らずベランダに入る方法、居住者が不在であったとしてもベランダに自由に出入り出来る方法について何か無いだろうかと云う発想です。

   その可能性の一つとして、各戸のベランダのお隣との間にある「非常時の際には、ここを破って隣戸へ避難できます」とラベルが貼ってある仕切り壁を、ある一定期間撤去し各階層単位で横方向に一気通貫にすることはどうだろうか。こうすることによって、工事作業者の各階での横移動は自由となり、建屋両サイドに出入り構造物を設けるだけで済むのではないだろうか。

   各住戸のベランダは、厳密には各戸の所有エリアではなく全体共有のエリアであると記憶しています。勿論、普段は各戸とも自己のプライベートエリアであるとの認識は強く、工事期間だけとはいえベランダに対する必要な整理義務への抵抗は相当なものだとは思います。しかし6~7年ぐらいに一回の頻度で巡ってくる補修工事期間ぐらい、我慢してもらう事は出来るのではないでしょうか?。本来の全体共有領域であるとの見地から、ベランダの違法利用点検の絶好の機会と捉えることも出来ます。もちろん気分として、ガラス戸一枚だけとなる或る一定期間の不用心さを感じる気持ちは抜けません。しかし、従来の足場及び養生構造方式にしても、似たような不用心さは皆無ではなかった筈です。

 

飛躍した考え方とはいえ、もし実現した場合のメリットを挙げると

(1)大幅なコスト削減(億単位?)が可能で、修繕積立金の枯渇問題に貢献できる。

(2)養生構造物が不要となり、各戸の長期間に亘る日当たり障害などから解放される。

(3)養生構造物設置による一階住戸の専用庭の破壊トラブルの解消が期待できる。

(4)各戸ベランダにおける違法利用点検の機会として生かせる。

(5)一定程度の工事期間の短縮が可能と見込まれる。

 

   以上、素人の浅はかさとの罵りを恐れず、奔放に空想してみた。

   尊敬する修繕委員会の賢人各位から見れば穴だらけの発想であろうと思います。しかし、既存の壁を取り払い「出来ない理由を探すより、可能な理由を探す」という姿勢で住民との対話を盛んにし、更なる高みを目指してもらえれば有難いと思います。

 

   皆さんの、自由な発想によるもっと良い案が活発に提案され、次回の修繕に間に合わせられたら最高ではないでしょうか・・・。

 

                             D棟 村本顕一