Vol.25  「熊本の震災に思う」

                                                                                                       2016.05.12 掲載

  この原稿を書いている4月下旬現在、熊本・大分ではいまだに地震が続いています。

テレビを見ていても、連日被災地の深刻な様子が報道されていて胸が痛みます。

 

 5年前の東日本大震災を持ち出すまでもなく、日本列島は地震・津波・台風・大雨・大雪等の天災には事欠かない地理的条件にあるようです。

首都圏についても、マグニチュード7クラスの大規模な地震が起こる可能性が今後30年間に70%と報じられています。統計の世界に疎い身としては、この「今後30年間に70%」という言葉の意味がどうも良く理解できないのですが、「いずれ大地震が来るから注意はしておくように」ということだろう程度に受け取って過ごしてきました。

 

ところが、今回の熊本地震を見るにつけ、本当はもっと真剣に受け取らないといけない程の確率なのかもしれないと、今更ながら改めて思い始めました。パーク内には地震や統計に詳しい方もお住まいと思いますので、どの程度心配すべきものなのか(という言い方も変ではありますが)是非正しい解釈をご教示いただければと思います。

 

  パークの管理組合も、以前から防災には色々取り組んでいただいていると感じています。

防災防犯分科会の活動を中心に、パーク内の防災訓練の実施、災害時に備えての住民台帳の整備、自衛消防隊の活動、防災機材・備品の整備、地域との連携等々、様々な対策を取っていただいていると理解しています。改めて歴代の管理組合の役員の皆様のご努力に敬意を表したいと思います。

ただパークには1000戸を超える世帯がある以上、どうしても万が一の際の対応にはある程度の混乱が生じるだろうということは予想されます。

この震災対応の話は、決して他人任せの話ではなく住民一人一人が自分や自分の家族の身近な問題として捉えて、ご近所の方々とも協力できるような仕組みを考えておくべきだと思います。

 

 ところで、「大地震はいつか必ず起こる」という前提であれこれ考えてみると、パークの中に限ってみても気になることはいろいろあります。

例えば、パークの特徴の一つである緑が豊か=樹木が多い、ということもその一つかと思えます。防災の観点から考えてみると、この樹木が多いという点が案外盲点になっているような気がします。

一般的には樹木があれば地割れが防げるとか火事の延焼が防げるとか言われています。そういうプラスの面も確かにあるかもしれません。

けれどもパークの敷地内のような通路が狭いところでは、もし仮に数本の木が通路上に倒れただけでも生活に必要な歩行や車両の走行に支障が出ることも予想されます。

水や食料を持ち運ぶのに不便だし、車椅子や担架の利用もかなり困難になると思われます。

また、建屋の直近に植わっている木も多く、これらが建屋や庇等を傷つけることもあり得るでしょう。

こう書いたからと言って、だから樹木を切るべきだなどと言いたい訳ではありません。大地震のような非常時でなければ、樹木が多くて緑があることが生活に潤いを与えてくれることは当然です。

(パーク内では樹木の話題は結構センシティブなようなので敢えて付言しておきます)。

樹木のことは一つの例に過ぎませんが、いつの日か来る筈の震災を考えればその他にも幾つか気になることがあります。例えば埋設されている配管の様子(水や電気・ガス)等についても、住民として一応のことは知っておかないとイザというときに不便でしょう。

 

  住民や管理組合だけで解決できることは限られてはいますが、万が一の条件の下ではどんな事態が想定されるのか、一つ一つの対応策のメリットやデメリットについて住民全体でできるだけ詳しく情報共有しておくべきでしょう。流行(はやり)の言い方で言えば聖域のない議論ということです。

生身の人間であれば、一旦大災害が起こってしまえば先ずは我が身のことで頭が一杯になるはずで、その他のことには直ぐには頭が回らないという状況になるかと思われます。普通の人であればそれが正常な感覚だし当たり前のことでしょう。

そうであればこそ、いざと言うときに「こんな筈ではなかった」という事態にならないように、日頃から住民間でパーク内のことや地域のこと等について、できるだけ幅広くコンセンサスを得ておく必要があると思われます。

 

  熊本の被災地のニュースを見ながら、チョット憂鬱ではありますが「明日は我が身」と考える今日この頃です。

                                                                                                                                           以上                

     宮下 暁