平成27年12月19日  第2回回棟別積立金不均衡是正対策検討会 議事録

                                                                                                                2016.01.12

日 時  2015年12月19日(土)13時~15

場 所  B棟集会室

出席者    播本、伊東、渡辺、大塚、加藤、谷、福島

 

今回は 前回に続いて、次の事項について検討した(検討項目と資料は続き番号)。

 

4 団地共用部分の区分所有者の棟別積立金負担について法律上の規定はどうなっているか(資料5 規約共用部分と団地共用部分に関する法律上の規定)

 

  平成25年度の議案は、提案理由として、「全体共用や住棟共用の範囲にある公開空地部分や設備施設部分、集会室・管理施設分などが住戸と共存しているにもかかわらず全体積立金や住棟積立金から負担割合に応じた支払いを共存している棟の棟別積立金へ適時に負担対応してこなかった事が不均衡拡大につながってきた大きな原因である。」と述べている。

  しかし、区分所有法の規定は、団地共用部分の区分所有者の棟別積立金負担については明確ではない。

 そこで、この問題を、団地共用部分と同じ位置づけにある一棟の区分所有者だけが共用する規約共用部分と対比して検討した。

規約共用部分は、それ以外の法定の共用部分と共有者も持分も同じであるから、規約共用部分の共有者をその棟の共用部分の費用負担義務者として別に考える必要はないが、棟の中にある団地共用部分は、それ以外の共用部分と共有者も持分も違うから、団地共用部分の共有者をその棟の共用部分の費用負担義務者として別に考える必要があり、議案の提案理由には合理的な根拠があることを確認した。

  

5 管理組合が団地共用部分の区分所有者に棟別積立金を請求しなかった規約上の根拠があるか(資料6 棟別積立金負担に関する規約の定め)

  

まず、棟別積立金について規約は次のように定めている。

(棟別積立金)

第37条 住棟の区分所有者は第34条の住棟管理費および前条の全体管理費以外に、つぎの各号に要する費用(以下「棟別積立金」という。)として各棟ごとに別に定められた金額を積立てるものとする。

     住棟別共用部分の大規模な修繕

  ⑵ 住棟別共用部分の変更

    ⑶ 第31条第4項に定める棟別共用部分における分担金

ここで「住棟別共用部分」とは、規約231項により「別表1(注:対象物件)の建物のうちB棟からL棟までの各棟の棟別共用部分およびA棟の棟別共用部分で専有住戸の区分所有者のみが共用する部分」と定義されている

また、「住棟」とは、当初の規約31条により「別表1の建物のうちB棟からL棟までの各棟の棟別共用部分およびA棟の棟別共用部分で専有住戸の区分所有者のみが共用する部分」と定義され(同条1項)、A棟の棟別共用部分のうち、本条第1項(注:住居区画部分)および第3項(注:商業施設区画部分)のいずれにも属さない共用部分(注:A棟の団地共用部分はここに含まれる)については、第49条以下に定める組合がA棟の区分所有者(注:全体共用部分の共有者である商業施設棟や商業施設用駐車場の所有者は含まれない)の責任と負担において管理する。」と定められていた(同条4項)。

そうすると、区分所有法第11条ただし書きにより、A棟の専有住戸の区分所有者のみが共用する部分であるA棟の住棟別共用部分はA棟の専有住戸の区分所有者のみの共有に属し、同法第19条により、A棟の住棟別共用部分の費用はA棟の専有住戸の区分所有者のみが負担することになるから、規約37条に従ってA棟の住棟別共用部分の費用を負担するA棟の区分所有者にはA棟の団地共用部分の共有者は含まれないことになる。そのことは、規約37条に定める棟別積立金を負担する「住棟の区分所有者」には団地共用部分の共有者は含まれないことを意味する。

以上のことから、管理組合が棟にある団地共用部分の共有者にその棟の棟別積立金を負担させなかったことには規約上の根拠があったということができる。

 

6 住棟にある団地共用部分の区分所有者が負担割合に応じた棟別積立金の負担をした場合、議案による補填額中に占める負担額はどのようになるか。その場合の棟別積立金への補填額を議案による補填額と比較するとどうなるか

 

  まず、住棟にある団地共用部分は、管理組合に毎年度来ている固定資産税納税通知書の課税明細書欄の記載に従って定めた。その床面積は、住戸販売時に配布された建物配置図に記載されている住戸の床面積(管理費算出の基礎となっている建築基準法による壁芯計算値)から推定した。(資料7 住戸にある団地共用部分など)

  つぎに、棟ごとに、入居時から平成25年度までの棟別積立金収入額の累計額に、棟別積立金算出の基礎となっているその棟の住戸の床面積(建築基準法による壁芯計算値)の和に対する住棟共用部分、全体共用部分それぞれの床面積の割合を乗じてそれぞれに関わる負担額を算出し、さらにそれぞれの額の全棟の和を算出してその額をそれぞれ住棟積立金、全体積立金からの議案による補填額から控除してその残額をそれぞれ各棟住戸の床面積割合、戸数割合で各棟に割り戻し、それら団地共用部分の負担額と割戻額を加算して各棟のあるべき補填額を算出した。(資料8 団地共用部分の区分所有者の棟別積立金負担額とその他の補填額)

 さらに、棟ごとに、平成25年度末と平成26年度初の棟別積立金残額の差を算出して、今回の議案による補填額を算出した。(資料9 議案による補填額)

 そして、資料8の補填額と資料9の補填額の差を算出した。その結果、議案による補填額の方が多い棟が、額の多い順にE棟、D棟、B棟の3棟あり、超過総額は66百円余りであり、それを他の棟が補っており、低層棟だけで48百万円弱を補っている。(資料10 棟別積立金への議案による補填(資料9)と団地共用部分の負担を含む補填(資料8)との差)

 

7 管理組合は、これまで、D棟とE棟にある専有倉庫についてその所有者に棟別積立金の負担を求めていない。これらの専有倉庫は法律上または規約上どのように定められているか。(資料11 専有倉庫の法律上および規約上の位置づけ)

 

これについては、区分所有法は冒頭で次のように定めている。

(建物の区分所有)

第1条 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所または倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

(定義)

第2条 この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第四条第二項の規定により共用部分とされたもの(注:規約共用部分)を除く。)を目的とする所有権をいう。

2 この法律において「区分所有者」とは、区分所有権を有する者をいう。

3 この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。

4以下 (省略)

また、次のように定められている。

(共用部分の共有関係)

第11条 共用部分は、全区分所有者の共有に属する。(以下省略)

(共用部分の負担及び利益収取)

第19条 各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。

したがって、これらの規定によれば、専有倉庫は建物の専有部分であり、その所有者は区分所有者であるから、専有倉庫の所有者は区分所有者として共用部分の費用を負担しなければならないことになる。

つぎに、規約では次のように定められている。

(専有部分の範囲)

第5条 対象物件の中で、区分所有権の目的となる建物の部分のうち、つぎに掲げる各号を専有部分とする。

   (1)住戸番号を付した住戸および当該住戸内附属専用施設(以下「専有住戸」という)

   (2)倉庫番号を付した倉庫および当該倉庫内附属専用設備(以下「専有倉庫」という。)

   (3)以下 (省略)

(共用部分の共有持分)

第10条 第6条の棟別共用部分は当該棟の区分所有者全員の共有に属するものとし、各区分所有者の共有持分は、当該棟の総専有面積に対してそれぞれが区分所有する専有床面積の割合による。

2 第7条の駐車場棟共用部分は、「パークシティ溝の口」の区分所有者全員の共有に属するものとし、各区分所有者の共有持分はつぎのとおりとする。

   (4)専有倉庫の区分所有者は、共有持分なし

3 第8条の住棟共用部分は、専有住戸の区分所有者全員の共有に属するものし、(以下省略)。

4 前条の全体共用部分は、「パークシティ溝の口」の区分所有者全員の共有に属するものとし、各区分所有者の共有持分はつぎのとおりとする。

   (4)専有倉庫の区分所有者は、共有持分なし

したがって、専有倉庫は、規約でも区分所有権の目的となる建物の専有部分と定められ、その区分所有者は、共用部分のうち棟別共用部分にだけ専有床面積の割合による持分を持っており、住棟の区分所有者として棟別積立金を負担しなければならないことになる。

 

8 専有倉庫の区分所有者が棟別積立金を負担しなければならないとすれば、その取り扱いはどのようなことが考えられるか。

 専有倉庫の区分所有者に代わって管理組合がその肩代わりをした場合は、議案による補填額中に占める負担額はどのようになるか。その場合の補填額は議案による補填額と比較するとどうなるか

  

上記7により、専有倉庫の区分所有者は棟別積立金を負担しなければならないが、

これまで負担してこなかった理由は管理組合が請求しなかったことにあるから、それを入居当初にさかのぼって請求することについては消滅時効などの問題がある。

 そこで、仮に過去の未払額をすべて管理組合が肩代わりするとした場合の議案による補填額中に占める負担額を算出し、その補填額と議案による補填額を比較すると、次のようになる。

  まず、上記6で示した資料8の一覧表のD棟とE棟の住棟共用部分の床面積に資料7に記載されたそれぞれの棟にある専有倉庫の床面積を加えた床面積について負担額を算出し、資料8と同じ作業をして、団地共用部分と専有倉庫について棟別積立金を負担した場合の補填額を算出した。(資料12 団地共用部分の負担額+専有倉庫の負担額を含む補填)

 そして、資料9の議案による補填額と資料12の補填額の差を算出した。その結果、議案の補填額の方が多い棟が額の多い順にE棟、D棟、B棟の3棟あり、超過総額は56百円余りであり、それを他の棟が補っており、低層棟だけで44百万円余りを補っている。

(資料13 資料9(議案による補填)と資料12(団地共用部分の負担額+専有倉庫の負担額を含む補填)との差)

 

9 公開空地がある棟の公開空地部分について棟別積立金を補填する法律上の根拠はあるか。法律上の根拠がない場合に、補填するとすればどのような理由によりどのような方法が考えられるか

 

  この点については、公開空地が床面積を持った共用部分ではないから、棟別積立金を補填する法律上の根拠がない。そこで問題は、公平の観点から何らかの措置が必要ではないか、その場合にどのような補填が考えられるかである。

 ところで、公開空地のある棟の組合員には、そこに住戸があれば棟別積立金の積み立てがされていたはずだという思いがあるとのことである。そこで、参考として、そこに住戸があって棟別積立金を積み立てたと仮定した場合の積立金の金額を管理組合が平成25年度総会議案の全体積立金からの補填額により負担した場合を上記8と同じ方法で試算した(参考資料1 公開空地まで負担した補填)。そして資料9の議案による補填と参考資料1の補填の差を比較した(参考資料2 議案による補填と公開空地まで負担した補填の差)。その結果も、議案の補填額の方が多い棟が、額の多い順にE棟、D棟、B棟の3棟で変わらず、超過総額は49百円余りで、それを他の棟が補っており、低層棟だけで38百万円弱を補っている。

  つぎに、民間の団地開発業者が開発した都市型の団地には、ピロティに団地に出入りするための通路が作られていて当団地と同じような問題を抱えた団地がいくつかあるので、報告者(渡辺)が調査した調査例を、論点整理と検討に方向性を与えようとするものではないことを断ったうえで紹介した。

   調査は、東京都と川崎市の2団地で行い、いずれも壁塗装費を全体積立金で負担している。補填の方法は、いずれもあらかじめ補填の方法を定める規定を定めて、一例は工事の都度実額を、他の例は毎年度定額を引当金として補填している。

   これについては、参加者から他にいろいろの方法が考えられるとの発言があった。

 

  次回開催予定

  日 時 116日(土)13時~15時  場 所 E棟集会室

  検討内容

  事実確認事項はほぼ出尽くしたので(確認事項がまだあればそれを検討した後)、解決方法について各参加者が構想を持ち寄り、報告者が選択肢をできるだけ多く挙げた案をたたき台として出し、意見交換をして合同会議報告をまとめることにした。

 

 

以上 

資料5 法律上の規約共用部分と団地共用部分に関する規定.docx
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資料6 団地共用部分の棟別積立金の負担に関する規約の定め.docx
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資料7 住戸にある団地共用部分.xlsx
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資料8 団地共用部分の負担額.xlsx
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資料9 議案による補填額.xlsx
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資料10 議案による補填と共用部分補填の差.xlsx
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資料11 専有倉庫に関する規約の定め .docx
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資料12 団地共用部分+専有倉庫の負担額.xlsx
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資料13 議案による補填と共用部分・専有倉庫補填の差.xlsx
Microsoft Excel 35.1 KB
参考資料1 公開空地まで負担した補填.xlsx
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参考資料2 議案による補填と公開空地まで補填の差.xlsx
Microsoft Excel 25.6 KB