パーク悠々漫歩 Vol.19「パーク、キッチン事情」村本顕一氏

「坊主も走るほどに忙しい・・・」と言われる師走(師=先生等諸説ありますが)を迎え、今年も仕舞の月となってしまいました。間もなく冬至となり、一年で最も日の短い慌ただしい時季を過ごすことになります。我がパークの各ご家庭とも、明ける正月に向けて、準備に忙しい期間になるであろうことと想像されます。

 

おせち料理から見るスーパー事情

 

 そんな思いを巡らせてみると、隣接するイトーヨーカドーでは約一カ月以上前から正月用「おせち料理」の予約受付けを始めた様子で、師走が近づいていることを感じさせていました。私は、D棟に住んでいることもあり、溝の口駅方面に向かう時は常ならずイトーヨーカドーの中を通り抜けることがあるのですが、その時にその光景を目にしました。詳しく覘いた訳ではないのですが、思い返すと重箱を模して印刷された松・竹・梅コースとおぼしき箱型のディスプレーが並び、昨年とほとんど変わらない内容のように見受けたのです。このような光景の中で、通りすがる人達がまったく振り返る様子がない状況を見てふっと気になるものを感じたのです。

 

 昨今は、各家庭とも「おせち料理」が自家製ではなく外部調達に変わりつつあり、その外部調達は年々拡大傾向にあるように感じられます。これらが定着しつつある背景には核家族化の進展があるのだろう・・・とは、衆目の一致するところだろうと思われます。そう言えば、テレビなどでも「おせち料理」の予約風景を盛んに喧伝されているようでしたが、その競争の激しさを目にするにつけ、これらは文化として定着しつつあるのだと感じるのは私一人だけではないと思われます。

 

 年々増加しつつあるこの現象の中にあって、イトーヨーカドーの宣伝工夫とか販売戦略が、昨年と余り変り映えのしないようなメリハリの無さに、一抹の懸念として残ったのでした。この懸念は、何も今回に限った話ではなく、日頃「イトーヨーカドー溝の口店」の中を通るたびに感じるもののようで、一階フロアーでの買い物客の少なさからくる寂しさのようなものに繋がっているような気がしたのでした。一階はテナントフロアーのような様子で、通路を通っている人はそれなりにいるのですが、売り場で商品を物色している風景は殆ど見掛けないと言っても過言でないように感じます。このような風景が経営的に成り立っているのだろうかと長いあいだ気に掛かっていたものが、ふっと蘇る思いに繋がったのです。

 

 そこで今回は、我がパークシティ溝の口と同居しているともいえる「イトーヨーカドー溝の口店」の昨今の繁盛ぶりに目を転じてみるのも一興と思い書き進めてみたいと思います。

 

パーク住民にとってのイトーヨーカドー

 

 数カ月前の報道で、大型スーパーチェーンの一方の雄とされる「イトーヨーカドー」の店舗拡大にも変化が兆したらしく、今後は利益貢献の難しい店舗を見極め、20%程度の店舗削減整理を目指すとのことでした。企業合理化の一環としての経営判断が成されたとの報道について記憶されている方も多いのではないでしょうか。我がパークシティに隣接する「イトーヨーカドー溝の口店」については、この合理化判断に基づいての閉鎖対象になる可能性は無いのだろうか・・・?

 

 そこで、改めて周辺のスーパーマーケット及び準スーパーマーケットと思しき店舗の競合状況について考察してみたいと思います。パークを中心に徒歩約10分程度の範囲内で、思い浮かぶ競合の店舗としては、①イトーヨーカドー溝の口店(パーク店)・②丸井デパート地下食品売り場・③東急ストアー溝の口駅店・④マルエツ溝の口店・⑤十字屋・⑥東急ストアー高津駅前店・⑦生活クラブたかつデポー・⑧マルエツ坂戸店などがあるようです。ユニークな類似例としては、ドンキホーテの食品売り場も⑨店目として挙げてもいいのかも知れません。

 

 以上の様に挙げてみると、我々の周りにはコンビニを除いても10店舗に近い類似店舗が日々激しい販売競争を繰り広げていると思われます。これらは、我々消費者にとっては有益な競争とも受け取れ、誠に有り難い存在と云えるのではないでしょうか? 中でも、パーク内に隣接し、同居しているともいえる「イトーヨーカドー溝の口店」は、我々にとって身近で便利な「我が家の冷蔵庫」とでもいえる存在です。

 

 大概の食料品については、余り多く買い置きをしなくても敷地内を移動する感覚で調達できる気軽さがあり、正に各家庭の冷蔵庫と見做すことは十分に可能だと思われます。気軽さという点でもっと考えてみれば、極端な話し、部屋着・サンダル履きでもOK、ちょっと重くなっても距離がないだけに有り難い、天候の悪い日でも雨に濡れる煩わしさが低減される等々、便利この上ない環境を提供してくれているとても有り難い「我が家の冷蔵庫」なのではないでしょうか。このようにぼんやりとした位置づけとして浮かぶ「イトーヨーカドー溝の口店」ですが、その繁盛ぶりについては少し関心を持って見ることもあながち無駄ではないような気がしてなりません。

 

 何故ならば、パークの住民とってはキッチンの冷蔵庫のような位置付けとも見做せる「イトーヨーカドー溝の口店」が、もし無くなったらどうなるのだろうとの懸念に繋がるからです。特に平日における一階フロアーの閑散ぶりから、経営的にみて採算的にどうなっているのだろうかと疑問がわいてくる事が時々あるからです。

 

 極端に想像を逞しくしてみると、前記したイトーヨーカドーの母体となっているセブンアイホールディングスのあの方針報道(20%程度の店舗削減)に該当してくることは無いのだろうかという懸念です。そんな目で、地下の食料品売り場の賑わい振りを、上記した周りの競合店と較べてみた場合、相対的に賑わっているようには見えない点も浮かんでくるようです。かつて溝の口駅前の再開発以前で、現在の丸井やノクティが無かった頃は結構繁盛していたように見受けたのですが、少しずつ元気の無さを帯び始めたようにも今更ながら感じるのは私一人だけではないのではないでしょうか。

 

 我々消費者から見れば、正当な競争原理に基づく栄枯盛衰であり、関知するような現象では無いかも知れません。しかし、我がパークの住民としての立場で、身近な「我が家の冷蔵庫」でもあるという視点を通して覗いてみれば、無関心ではいられない面もあるのではないでしょうか。

 

もしイトーヨーカドーがなくなったら

 

 ここで、もし或る日突然、イトーヨーカドー溝の口店が、閉鎖という事態を招いたとして想像してみた場合、どんな現象が起こるのでしょうか。

 

(1)ほんのちょっと足を伸ばせば、上記した周辺の店舗からの調達は可能ですし、大した影響は無い。

(2)キッチン作業中などで何がしかの不足品に気が付いた場合、大して雨に濡れることもなくチョイと調達が出来るこの上ない便利さが失われるので困る。

(3)イトーヨーカドーは、間接的ではあるがパークシティ溝の口の管理組合の一員とも見做され、家主たる三井不動産が全く異なる事業展開を提案してくる。内容は想像出来ないが・・・全くの異業種だったら?

(4)極端な場合、駐車場棟のイトーヨーカドー顧客用地下駐車場エリアの買い取りを我々のパークシティ溝の口管理組合に要請してくる等々・・・。

 

 特に、(3)(4)などに話が及んだ場合は我々パーク住民への影響については私の頭では想像がつきませんが、混乱するだけでなくパークの資産価値へのマイナス影響は必至と考えられます。以上のように考えを飛躍させた場合に、我々パーク住民という立場には何が必要だろうかと、今一度考えてみるのもあながち無駄とも言えないかもしれません。

 

 私は、決してイトーヨーカドーの回し者や購買ファンというわけではありませんが、「イトーヨーカドー溝の口店」については一層の活性化努力をしてもらいたいものだと改めて感じてしまいます。一消費者として、せめて周辺の競合店に比べて互角の戦いで臨んでほしいと願わずに居られないというか、他人事でもないような気がする時があります。

 

 特に、一階フロアーなどのテナントと思しき店舗の客足の短さには不安を覚えます。最近、一角に和服屋さんがオープンしましたが、時代的な観点からもマーケッティングは大丈夫なのだろうかなどと余計な心配にまで繋がるほどです。ちょっと前には化粧品・薬売り場や衣料品店の一部を改装したりして、工夫を凝らそうとしている様子は窺われますが、抜本策になっているかどうか、懸念しきりといった処です。振り返ってみると、過去にも何度かテナントの閉店セールを見掛けたような気がして来ます。

 

食品売り場への期待

 

 縷々勝手なことばかり書きなぐった次いでに書き足してみたいのは、一番大事な地下の食品売り場の賑わい振りを他の周りの競合店と較べてみた印象です。前記した周囲の競合店の中では、特別な店舗とおぼしき「生活クラブたかつデポー」を除いて、下位の1~2位に入っているのではと思うのですが杞憂でしょうか。これは飽くまで印象であり正確さを欠くものであることは断わっておかなければなりませんが・・・。

 

 原因を推定してみると、エリア内での立地の不利さが挙げられるように思います。溝の口駅・高津駅それぞれから他の競合店より距離があり立地的な不利を抱えている。最も遠いマルエツ坂戸店は、逆に、駅から遠い坂戸・北見方地区などの顧客の集客に成功しているように見受ける。ある意味で中途半端な立地条件に在り、極端な話、今では我々「パークシティ溝の口」頼りの店舗に押し遣られた。しかしながら、我々パークの住民も「イトーヨーカドー溝の口店」を100%当てにしているとは言い難い状況。以上のような競合状態分析は、素人であり不確かな小生の印象なので宛てにならないかも知れません。

 

 しかしながら、立地条件だけが全てを制するわけではない筈です。そこは、やはり魅力ある売り場としての工夫なり、言わばソフト面での経営努力が物をいう世界が当然あろうかと想像しています。具体的な印象としては、例えば鮮魚コーナーの相対的な活気不足などです。私的な嗜好を披露するつもりはないのですが、どちらかと云えば肉よりは魚派と自認する小生にとっては、イトーヨーカドーの鮮魚コーナーは価格・鮮度ともに魅力が足らないような気がしています。他の商品については、余り比較出来るだけの眼力を持ち合わせていないので論評することを控えざるを得ませんが、鮮魚コーナーだけでも改善してもらいたいものだと願っているところではあります。

 

 漠然とした印象からの邪推として、日本を代表する巨大流通チェーン店という看板を担いでいるだけに、俗にいう大企業病に侵されているということはないのだろうか。

 

 ここまで書いて、それではどうすれば良いのかなどと大それた提言が、外野にいる我々に出来るわけでは有りません。要は、我々にとって「我が家の冷蔵庫」ともいえる「イトーヨーカドー溝の口店」にもっと魅力的な店舗経営を目指して欲しいものと願って止まないということです。そして、それは下手をすると我々パーク住民にとって単に「我が家の冷蔵庫」消滅どころではない、重大な不利益に繋がる可能性も秘している可能性があることを認識する必要があるかも知れません。こんなことを言っては店長さんをはじめ経営幹部の皆さんに失礼なのかも知れませんが、パークの一住民として杞憂の一端を記してみました。

 

 もしかして、私と心配を同じくして、多少の我慢を抱きながらパーク内の「我が家の冷蔵庫」を守ろうと意識され利用されている方もいるかも知れません。実態を認識し、経営改善に繋げて行ってくれることを希望したいものです。

 

 最後に、思いっきり話を飛躍させて解決策を空想し、このコラムを締め括りたいと思います。

 先月の当パーク悠々漫歩Vol.17「建替えについて考えてみよう」を読んでみたら、低層部分に商業施設、高層部分に居住部分からなる超高層マンションを2棟程度建てる・・・云々、というパークの建替えの夢を示してありました。これなどは、今回のコラムで縷々述べてきた杞憂・懸念をすべて払拭する名案に繋がりそうであることを書き記しておきたいと思います。

 

以上

D棟 村本 顕一