D工事 先行工事の総括報告

10月1日~10月18日に渡って、今回のD工事専有住戸内工事の代表的なパターンの10戸についてご協力をいただき、先行工事を実施いたしました。
建設以来、各専有住戸内について既に実施されたリフォームに関する情報は全くありませんでした。そのため、当初のD工事の計画は建設時の設計施工図のみを元として進めて参りました。今回の先行工事は、主として、これらリフォームされた住戸を含めて、想定された配管経路および工事方法が妥当か、およびどのような問題があるか、工事中の居住者の不便の程度・現在の状況への復帰のための費用が全体として公平か、もし、公平と言えなければ、個人の費用負担をどの程度にすべきか等、今後の本工事の方針を見極めるために行ったものであります。
その結果について、総括的な報告を行います。

 

Ⅰ.結果概要
1.2戸のお宅で、不幸なことに、事故が生じました。


1)1戸は、浴槽からの配管を途中で切断したまま、シャワーの湯を浴槽に貯めて風呂として入ったために生じた漏水事故であり、原因は、工事を担当した施工業者である建装工業(以下、建装と略記)の担当者が、配管が切断されている状態にもかかわらず、“夜間、そのような状態で風呂を使用してもよい”と誤った説明をしたためであります。


2)もう1戸は、メーターボックス内の配管切断中に誤って隣の電線をも切断したため、単相3線210/105ボルト回路の混触が生じ、これにより過電圧が掛かり、住戸内の電子系機器を中心に多数の機器類を損傷したものであります。原因は、メーターボックス内の配管直近に位置する電線の養生不足等工法上の問題であります。


3)両2戸の被害者からは、上記直接の原因の他に、危惧すべき要因として、建装の現場窓口責任者の不明確さ・施工内容の説明不足・技量不足・管理体制等の不備、および事故後の対応に対する不満が、非常に多く指摘されました。


4)また、それと同時に、運搬・埃に対する養生および使用工具の配慮等があまりにも稚拙との指摘もありました。


一方


2.残り、8戸のお宅について、聞き取り調査を実施いたしました。
その結果は、建装の現場窓口責任者の不明確さ・施工内容の説明不足・技量不足・管理体制等の不備、についての不満は殆どなく、運搬・埃に対する養生等についても、不満は殆どなく、非常によくやってくれたという感想の他、本工事で、他の居住者の方々が実施する場合への前向きなアドバイスも多くいただきました。


Ⅱ.修繕委員会の判断
以上の2戸の事故対応に際する被害者からのご指摘と調査、および事故のなかった8戸への聞き取り調査の結果、修繕委員会としては次のように判断しております。

 


1.今回の事故の直接原因については、適正な対策(再発防止策等)を策定済である。
(例:工事中、浴槽の使用禁止の表示の明確化)

  


2.類似事故を防ぐため、又、品質の確保・向上のためにも、建装の施工管理体制、および設計監理会社の管理体制には、相当に改善すべき点がある。

  


3.上記2の改善を行えば、専有部住戸内工事を実施することに問題はない。(建装には、工事における事故をゼロにするよう最大限に取り組んでいただくが、最大限の注意を払っても事故は発生することもあり、仮に事故が発生したら、迅速にかつ適正に対処できるようにしておくことが肝要)


4.住戸内の配管経路等の工事方針に関する調査ついては、合わせて実施中の事前調査の結果をも加味して、当初の目的はほぼ達成される見込みとなり、間取りの特殊性やリフォームの特殊性によって発生する区分所有者個人の費用負担等に関してもご理解いただける程度の提案ができる状態になった。


Ⅲ.先行工事の反省に伴う改善点
1.事故対策を含めた体制等の改善について


1)建装の改善点は以下です。


a.工事中宅の居住者とのコミュニケーションの改善を行う。
各戸の玄関扉住戸内側にコミュニケーションボードを設置し、建装の窓口責任者等を明確にし、施工内容についてある程度の理解・合意を図りながら工事を進める。
今回の事故経過を見るに、上記の点が明らかに不足しており、これが違っていれば事故には至らなかったのではないかと思えることもありますし、事故後の円満解決の道筋を極めて難しくしてしまった一因でもあると思います。それだけではなく、今後の品質の確保・向上を図り、居住者から適切な協力をお願いするためにも必要な基本的改善策であります。

 

b.作業のマニュアル化を行い、教育を徹底する。(上記aも含む)
例えば今回の埃に対する養生対策もチームによってはバラつきがあったのかもしれません。

建装の今までの経験・知見および今回の事故等先行工事の教訓を集大成して、施工手順書による作業のマニュアル化を行い、作業員全員に教育を実施します。


c.施工体制の詳細化
スタッフの増員と、施工グループの見直しを行い、さらに、事故対応等に対する建装内の支援体制を強化しました。


2)設計監理会社の監理意識の向上も図りました。
設計監理会社であるKAI設計に、監理意識のレベルアップに取り組んでいただく。


2.管理組合として、居住者に、工事の性質、および工事を受ける側にもかなりの助力の責任もあることを理解していただく。


今回の先行工事では、(初めて故に)このような公示ができなかったことは、修繕委員会としての反省です。


  ・工事中はどんなに丁寧に養生しても解体やコンクリート削りで家中に埃は回り騒音が出ること
  ・特別に埃を嫌う家具、移動に特技を伴う家具等は、自己責任で対処していただく。


今回事故の場合、これらを事前に明示せず、建装がサービス精神で安易に引き受けたことで、問題を難しくしたものもあったと思います。
一旦事故となってしまうと、この辺りの対処の仕方に加え、工事中の不満・非難が集中し、あたかも専有部の工事自体が全く危険の塊のような錯覚に陥ってしまいますが、劣化した給排水管を改修せずにこのまま使用し続けることの方が、将来的には遥かに危険です。
これらについては、別途「修繕委員会情報」の配布等によっても、ご理解を得られるよう注力して行きたいと考えます。


<結論>
先行工事における反省点を本工事に活かし、計画どおり、D工事を進めさせていただく。

以上

 

2012.12.5 修繕委員会
                             

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